raffineの日記

Twitterで書けない長い文章を書いてみたいとふと思ったためにアカウントを取ってみた

アイドルヲタと声優ヲタは衝突するものなのか

Yahoo!ニュースのトップに出たそうで話題になったようですが、もとはリアルサウンドに載っていたものですね。

アイドルファンと声優ファンはなぜ衝突? 溝を埋めるカギはあるのか

正直「知らんがな」と言いたいところですが、個人的な感想を言うならば「理解しあえるタイプの人種とはちゃんと理解しあえるところもあります。でも100%すべての声優ヲタと溝を埋めるの絶対無理っす」ってところでしょうか。

とりあえず、この元記事をお書きになったライターさんを少々検索してみたら、結構お若いようでございました。なるほどツッコミどころが多いわけだ…などと思うわけであり。

アイドルとアイドル声優の活動内容には相似点が多く、今年公開された映画『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海』の声優をAKB48渡辺麻友が務めるなど、

後半で書かれている通り、こういうのがもっともアニヲタが忌み嫌う無意味なキャスティングなのですが、声優ヲタの中にも「声優という仕事は職人である」という認識をしている層と、「声優という仕事は芸能界の仕事のジャンルの一つである」という認識に近い(必ずしも全面的に認めているわけではないのでしょうが)タイプの層があるので、同じ声優ヲタの内部でも温度差があるように感じます。

『Animero Summer Live2013』ではアイドルグループのアフィリア・サーガが、『ANIMAX MUSIX2013』では東京女子流が、アイドル声優ファンに受け入れられず、盛り上がりに欠けるステージとなった。

サーガと女子流ではアニメに対する温度差がありすぎるので直接並べて比較するのはどうかと…。

また、『@JAM2013 Next Stage』では、アイドル声優が出演するステージの客席にて、アイドル声優ファン同士で最前列を巡った暴行事件が起こったことを受け、アイドルファンの間で「アイドル声優のファンはマナーが悪い」といった声があがり、

@JAM2013 Next Stageで乱闘騒ぎがあったとは初めて聞いたのですが、そもそもこのライブ、声優側の出演者って全員言っちゃ悪いが二線級というか駆け出しというかぽっと出というか…。アイドルヲタで言うなら地下専業みたいなヲタが来てたんじゃないんですか?(←ひどい物言い)

少なくとも、今の声優ヲタのメインストリームのサンプルとはとても思えないですけどねえ。

それはともかく、ここ以降はツッコミどころが多すぎてとても困ります。

なぜ、このような軋轢が生まれるのかというと、まず、アイドル声優ファンは、その人が声優として参加しているアニメ作品のファンであることが挙げられる。

声優ファンって究極的にはアニメはどうでもいいらしいよ(伝聞)、というのは冗談半分としても、アイドルヲタと仲良くなれるタイプの声優ヲタの人は特に、声優自身のパーソナルな部分を第一に考えるから、「役柄」としてアニメを見ているわけであり、作品批判を公然とする人も少なくないのですよ。「あれは合ってない」だの「生かせていない」だの「ミスキャスト」だのという。「糞だ」と酷評する人もいるし、そもそも「見ない」なんてのもいます。

もちろん声優たるもの演技者ですから、演じきれないというのは役割を果たせていないわけで、それが作品批判に結びつくのはどうかとも思わないでもないのですが、「あれはミスキャストだわ」と思う配役なんてのはテレビドラマでもなんでもあり得る話なので、一概に声優ヲタの人を責める気にもなれません。 ともあれ、声優ヲタの人=(推しの声優が出ている)アニメのファンという認識は明白に間違いです。

明白に間違いなものを「まず」とか言ってあたかも前提であるかのように書いちゃうのってどうなの?

彼らは、アニメ作品の世界観の一部を担う、プロフェッショナルな声優としての実力を認めたうえで、彼女らのファンになっているケースが多い。

これはアイドル声優を顔面偏差値だけで推しちゃう人には完全に通用しないし、特にさっき出てきた@JAMとか見に行っちゃう青田買い傾向の人はこれ言っちゃ言行不一致甚だしいでしょう。だってあのへんの実力なんてまだまだ全然でしょ。トラッドな声優ヲタにはそういうこと言う傾向が強い人いるけど、そういうタイプは「声優のアイドル化」を苦々しく思っている層だし、「顔出し仕事ばっかりしていないでちゃんとアニメや吹き替えの仕事を優先しろよ」って言っちゃうタイプ。つまり、アイドル声優扱いされたら怒っちゃう人々ですよ(笑)。

青田買いとかフレッシュさこそ武器とかそういう傾向はむしろアイドルヲタのほうが強いんですけど、声優ヲタの人でそういうとにかく青田買いだ新人大好きだというタイプの人をあまり知らないのでどういう意図でヲタ活動をやってるのかはよくわからないです。

いっぽう、アイドルファンにとってはダンススキルや、グループとしてのコンセプトを持たないアイドル声優は、アイドルでもなければ声優でもない、中途半端な存在に映るようだ。つまり、両者が演者に求めているものが違うため、すれ違いが起きてしまうのだろう。

声優にダンススキル求める奴誰もいないだろ(苦笑)。アイドルヲタだってダンススキルなんてのはいくつもある推しポイントのたった一つに過ぎないので、ダンスが足りないアイドルなんていくらでもいるし、そういう子についてるヲタだっていっぱいいるんです。

「グループとしてのコンセプト」ってのもわけのわからん話で、「アイドルヲタはコンセプトがないとファンになってくれないんですよー、人気でないんですよー」なんてこたぁまったくないわけであり…。これは文章としては最低ランクと言わざるを得ません。

だが、アイドルと声優の関係性について過去を遡ると、そこには切っても切れない関係があることがわかる。70年代にはアニメソング歌手・声優の堀江美都子がアイドル的な売り出し方をしていたし、古谷徹らを中心とした声優バンド・スラップスティックにはアイドル的な人気があった。80年代には、『タッチ』の朝倉南役で知られる日高のり子が、アイドルでありながら声優としても評価されている。荻野目洋子は『みゆき』の若松みゆき役で一躍有名になり、その後トップアイドル歌手にまで上り詰めた。アイドルを題材にしたアニメとしてエポックメイキング的作品である『魔法の天使クリィミーマミ』の主人公を演じた太田貴子は、後にアイドル系歌手として人気を博している。90年代にはハミングバード、E.M.Uといった声優グループが結成され、アイドル的な活動を展開した。アイドルと声優の相性は、決して悪いとはいえないのだ。

お若いのに良くお調べになられた…と言いたいところですが、「倉南」な。

ていうか、日高のり子はアイドルとしてびみょ~(詳しくは「がけっぷちトリオ」でぐぐれ)だったので声優へ転身を計ったので、別にアイドルと声優を兼業していたわけじゃありません。

荻野目洋子だって「一躍有名」と言うほど声優として売れたわけではない…、というか声優としてのアニメ出演作はこの「みゆき」と、2年後のOVA「バリバリ伝説」があるだけで他は何もありません(ウゴウゴルーガはアニメと言うには違いすぎる)。つまり、声優としてはほとんど活動していないのです。

太田貴子は声優兼業アイドルとしてはエポックだったのは認めますが、当人もファンもいろいろ戸惑いや軋轢があったのは周知の事実です。太田貴子のオタク嫌いは当時から有名で、出演番組だかなんだかでオタクは嫌いって言ってしまって大騒動になったとか…。今のアイドルがこんなことファンに言ったら干されるか辞めさせられるか…(苦笑)。

 つまり、アイドルと声優の相性は、やっぱり決して良いとはいえないのです。

実は、アイドルとアイドル声優自身は、たがいにリスペクトしあっているケースが多々ある。もしこの風潮がファンの間にも根付けば、衝突は自然と減っていくのではないだろうか。

アイドルちゃん本人と声優さん本人とが交流しているケースは結構あるし、サーガちゃんあたりならアニメやら声優やらと仕事しているケースだらけなので仲良くはしてるんですけど、それってあくまで個別事象なので、ならアイドルヲタ総体と声優ヲタ総体が仲良くなれるかっていわれればそれは全然別の話じゃないですかって思うのです。

そもそもアニメが好きで声優も好きなら声優行っておけばいいのに、わざわざ「あの子はアニメが好きだから」ってやってくるそっち属性の重度のヲタって、勝手に親近感持って勝手に幻想抱いて過度な要求をアイドルに突きつけるのが多いからとっても面倒です(経験談)。

それに、アイドルが「アニメ好き」を公言すると「どうせにわかだろう」とか「アニヲタと取り込みたいだけのビジネスアニメ好き」などと叩かれてしまうのがオチ。というか、アニヲタってそういうの見つけると叩きにかかるからアイドルヲタクに嫌われるんですよ。モノノフとかもビジネスモノノフ見つけて叩いてるけど(笑)。

アイドルファンとアイドル声優ファンの間に横たわる溝を埋めるには、アイドルとアイドル声優がファンに見える形で交流を深めていくことが必要なのかもしれない。

えーと、上記の通り多分それまったく解決になんないっす(笑)。 ぼくの周囲でもこの記事読んで感想ツイートしている人が多かったけど、「無理っす」って言ってる人のほうがはるかに多かったな(笑)。